試作1.食パン(21年1月8日試作)
※ 表内の「酵母」とは、「国産小麦で作ったパネトーネマザー粉末(製パン用)」のことです。 使用小麦粉…キタノカオリ (20年12月に富澤商店で購入・賞味期限21年5月26日・タンパク量 約11.5%) 作業…上表の材料を使用しますが、作り方の手順はリスドオルの食パンとほぼ同じです。 ただし、分割は3つにしました。 仕上がり状況・その他… 材料の分量は、輸入強力粉のレシピとほぼ同じ。1年前の粉は今回よりも吸水が良いと感じた ので水分を増やしましたが、今回は水分量も一緒にしました。 捏ね初めはべちゃべちゃした感じですが、捏ね時間がたつにしたがって生地がしっかりしてき ます。 例年、「グルテン膜が固く、ガスが抜けにくい」という特徴があった粉なので、ガス抜きしやすく なるように、分割は3つに。 今年も「グルテン膜が硬い」という特徴は変わらず、めん棒で強めにガス抜きすると、ビチビチと 音がしました。 焼き上がりの大きさは輸入強力粉とほぼ同じ位ですが、内層にはガスの抜け残りの穴が若干 できます。 味はややあっさりしている感じですが、美味しく仕上がったと思います。 「HBの食パンコース」等にお任せで使用をする事はお勧めしません。HBの「羽を回すだけのガス 抜き」ではガス抜きがうまく行かず、過発酵になる可能性があります。 HBの使用は生地作りだけにして、成型は自分で行うのがお勧め。 page top |
試作2.レーズン食パン(21年1月9日試作)
※ 表内の「酵母」とは、「国産小麦で作ったパネトーネマザー粉末(製パン用)」のことです。 使用小麦粉…キタノカオリ (20年12月に富澤商店で購入・賞味期限21年5月26日・タンパク量 約11.5%) 作業…上表の材料を使用しますが、作り方の手順はリスドオルの食パンとほぼ同じです。 レーズン以外の材料をHBで15分捏ね、レーズンを加えてさらに3分捏ねました。 また、分割は3つにしました。 焼き色が付きやすい生地なので、焼成は180〜190度前後が目安。 仕上がり状況・その他… レーズンとのバランスを考えて、砂糖を少し増やして甘めの生地にしました。 レーズンの重みでふくらみが抑えられる分生地量を増やしましたが、牛乳を入れた分膨らみが よくなった」ようで、ちょっとふくらみすぎたかもしれません。 フタをして焼いたら、膨らんだ生地がフタを圧迫して、フタが開けにくくなっていたかも。 粉270gに合わせてレシピを作った方がよかったのかもしれません。 キタノカオリは風味があっさりしているので、レーズンやナッツ類を組み合わせるとぐっと美味しく なります。このパンも、特に問題なく美味しく仕上がったと思います。 page top |
試作3.レーズンバターボウル(21年1月10日試作)
※ 表内の「酵母」とは、「国産小麦で作ったパネトーネマザー粉末(製パン用)」のことです。 使用小麦粉…キタノカオリ (20年12月に富澤商店で購入・賞味期限21年5月26日・タンパク量 約11.5%) 作業…上表の材料を使用しますが、生地の作り方の手順はリスドオルの食パン手順(1)〜 (8)とほぼ同じです。まとまりにくい生地なので捏ね時間はやや長め、レーズンは捏ね終わり 3分前くらいに加えます。 生地発酵後は4つに分割してベンチタイム、丸く型に成形して発酵。 溶き卵(生地に使った残りを使う)を塗ってからキッチンばさみで十字に切れ込みを入れて、切れ 込みの中央に1p角程度の無塩バター(分量外)をのせます。 バターの上にグラニュー糖(分量外)を振りかけて190度程度で10分程度、程よい焼き色が付く まで焼きます。 仕上がり状況・その他… 昨年も試作したレシピですが、1年前よりも吸水が少ない気がしたので、水を5g減らしました。 焼きたてはふわふわで問題なく美味しい。冷めると輸入強力粉で作ったものよりもやや硬めに なります。 page top |
試作4.チーズパン(21年1月11日試作)
※ 表内の「酵母」とは、「国産小麦で作ったパネトーネマザー粉末(製パン用)」のことです。 使用小麦粉…キタノカオリ (20年12月に富澤商店で購入・賞味期限21年5月26日・タンパク量 約11.5%) 作業…上表の材料を使用しますが、生地の作り方の手順はリスドオルの食パン手順(1)〜 (8)とほぼ同じです。 生地発酵後は2つに分割してベンチタイム、生地一つに付「8o各程度の大きさにカットしたプロ セスチーズ30g程度」を巻き込んでフットボール型に成形し、発酵。 発酵が終わったら縦に1本深めのクープを入れて、クープの上に生地一つに付「とろけるチーズ 15g位」をのせて、あらかじめ190度程度に温めておいたオーブンに入れて12分程度、とろける チーズに美味しそうな焼き色が付くまで焼きます。 仕上がり状況・その他…特に問題なくおいしくできました。キタノカオリは風味がややあっさり している分、何かと組み合わせることでぐっと美味しさが引き立つ気がします。 page top |
キタノカオリに関する補足 国産小麦は収穫年度の天候などの影響により性質が異なる場合がありますが、毎年あまり変
わりがない「その粉の基本的な性質」というものもあります。 以下に、「キタノカオリ」での試作で毎年に共通していた特徴をあげておきます。 1.やや黄色がかった色合いで、味はあっさり、やや皮の食感が固めに仕上がる。 ややあっさりとした風味の粉ですが、「もっちり感が強く、食パン向き」と思われる春よ恋とは異 なり、バターや砂糖の多いレシピとも相性が良いと思います。 粉自体の風味があっさりしているので、ドライフルーツを加えるレシピとは特に相性が良いと思い ます。 しっとりした感じですが、もっちり感は少ないので、生地に卵を入れても違和感が出にくい。 2.グルテンのない(少ない)粉を混ぜると食感が重くなる。 カメリヤなどの輸入強力粉でパンを作る場合、皮の歯ごたえを抑えて柔らかく仕上げるために、 20〜30%程度薄力粉を混ぜるレシピがあります。輸入強力粉の場合、薄力粉を20〜30%程度 混ぜても食感が重くなりすぎる事はありません。 しかし、キタノカオリ等の国産小麦の場合は、薄力粉やライ麦粉などのふくらみが少ない粉を混 ぜると、ふくらみが落ちてしまう場合があります。 3.早焼きタイプレシピを使用すると、食感が劣る。 「早焼きレシピ」とは、家庭でのパン作りを手軽にするために、ドライイースト(酵母)を増やして 発酵時間を短くしてあるレシピのことです。 家庭用のレシピの場合、「早焼き」と明記していなくても、「早焼きタイプ」のレシピであることが 少なくありません。 輸入強力粉の場合は「早焼きレシピ」で作っても極端に食感が劣るような事は少ないのですが、 国産小麦の場合は「早焼き」にしてしまうと明確に食感が劣ってしまう場合があります。 4.ホームベーカリーにおまかせでの使用はお勧めしません。 グルテン膜が硬くなりやすいため、ホームベーカリーの「羽を回すだけのガス抜き」ではうまく ガスが抜けきらず、それが原因で過発酵になってしまう可能性もあります。 過発酵にならない 場合でも、「食パンを焼いても、フランスパンの様に穴だらけになってしまう。」という可能性もあり ます。 捏ね初めはべたついて手で捏ねにくいので、捏ねるのはホームベーカリーをお勧めしますが、 「食パンコース」等を使用して作成することはお勧めしません。 「キタノカオリ」は、適切な水分量やふくらみが輸入強力粉と異なることが多いため、適したレシピ
も異なります。 「キタノカオリでパンを作ってみたけど、全然うまくできない。」といった場合、「キタノカオリとは特 徴の異なる輸入強力粉用のレシピで作ったため。」という可能性があります。 国産小麦でパンを焼く場合は、レシピ選びも重要になってきます。 page top |