ぱねぱんクラブ

青紫のページは「パネトーネマザー粉末(製パン用)」のユーザーのサポートページです。
酵母の説明
  

酵母の説明

このページでは、「パネトーネマザー粉末(製パン用)」についての説明を行っています。
 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の特徴をわかりやすく説明するために、少し文章が
長くて遠回りな説明になっていますが、よろしかったら最後までお付き合いください。



1.天然酵母とイースト

 「天然酵母とイースト…どう違うの?」こんな疑問をお持ちになっている方もいらっしゃると思います。

 「イースト」と言うと、市販の「生イースト」や「ドライイースト」をまっさきに思い浮かべる方が多いと
 思うのですが、天然酵母は英語で言うと「ナチュラル・イースト」…つまり、大雑把な言い方をすると
 天然酵母もドライイーストや生イーストも、全部「イースト(酵母)」なのです。

 では、「天然酵母」と「生イースト・ドライイースト」では何が違うのでしょう?

 「生イースト・ドライイースト」は、自然界に存在する酵母菌の中から特に発酵力の強い菌を選んで
 抽出し、衛生的な環境で雑菌が混入しない様に、栄養価の高い糖蜜等を使って効率よく培養して
 いるものです。

 一般的に「生イースト・ドライイースト」と呼ばれているものには、主に「サッカロミセス・セレビシエ」
 という菌が使用されています。

 地上にある酵母菌が無数にある事を考えると、発酵力の強い菌を純粋培養しているという事は
 「酵母界のエリート中のエリートを英才教育で育てている。」というような感じになります。
 
 最終的に、培養中に発生した発酵生成物等が取り除かれ、より純度が高く使いやすいものにして
 製品化されています。

 安定した強い発酵力で、数時間でパンを焼く事が出来る手軽な酵母です。

 安定したパンの製造を可能にする生イーストやドライイーストが作られる事がなければ、もともとパン
 食の習慣がなかった日本にこれだけパンが普及することはなかったかもしれません。

 一方、一般的に「天然酵母」と呼ばれているものは、昔からのやり方で、穀物や果物についている
 酵母菌や空気中の菌を、穀物や果物で培養して育てていくものです。

 イーストの様に特に発酵力の強い菌を選んで培養したりするわけではないので、その発酵力は
 穀物や果物にどんな酵母菌がついていたか、培養した時に周辺にどんな菌が浮遊していたかに
 左右されます。

 通常、あまり強い発酵力は望めませんから、市販のものであっても自家製であっても長時間発酵
 させる事になります。

※もともとイースト菌も自然界の菌なので、「天然酵母の定義」は捉え方によって若干違うようです。
ここでは、もっとも一般的と思われる解釈で説明させていただいています。

 天然酵母は、「酵母のエリート」である「生イースト・ドライイースト」よりも、扱うのはずっと大変…
 では天然酵母の魅力とは一体なんでしょう?                                                        page top


2.昔のパンVS今のパン

 少しお年を召した方の中には「昔のパンは美味しかった。」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
 なぜ、昔のパンは美味しかったのでしょう?

 昔のイースト工場は、現在ほど培養技術が発達していませんでした。
 そのため、培養過程でイースト菌以外の菌も混ざってしまっていたそうです。
 また、発酵中に発生する発酵生成物(酵素等)も、現在の製品のように取り除くことは出来なかった
 そうです。

 それらの「イースト菌以外の菌や発酵生成物」はパンの旨みを引き出す役割をしていたのですが、
 イースト菌以外の成分が含まれた酵母は発酵が安定しないため、パンを製造するベーカリーに
 とっては扱いづらい酵母だったそうです。

 そこで、ベーカリーから「お客様に安定してパンを提供するために、もっと安定して発酵するイースト
 が欲しい。」と言うリクエストを受けたイーストメーカーは、技術を向上させて徐々に改良し、現在の
 様に「(発酵を安定させるために)イースト菌以外の菌がほとんど入らない。」という製品に改良して
 いったそうです。

 「昔のパンは美味しかった。」というのは、当事の酵母は「天然酵母」に近い存在で、技術が進んだ
 現代よりも酵母に「パンの旨みを引き出す成分」がたくさん含まれていたせいかもしれません。

 もちろん、現在の生イーストやドライイーストで、美味しいパンができないわけではありません。
 風味の良い材料を組み合わせたりすれば、美味しいパンを焼く事は可能です。

 でも、「長時間発酵によって生まれる旨みや風味」は、やはり時間をかけなければ得る事が出来
 ないでしょう。

 有名店のパン屋さんが集まって書いたパンの本を見ると、生イーストやドライイーストを使っていて
 も「中種法」や「パン種法(発酵させたパン生地を冷蔵保存して翌日のパンに混ぜ込む)」等の方法
 で、わざと発酵に長時間かけるパンが多く紹介されています。また、大手メーカーでも、「熟成」など
 の言葉が含まれる長時間発酵のパンを発売しています。

 生イーストやドライイーストを使っていても、発酵時間を長めにとる事で、短時間に発酵させた場合に
 は引き出せない「発酵による旨み」を引き出していると思われます。

 「なぜ、天然酵母を使うと生イーストやドライイーストに比べて香りや旨みのあるパンが出来るのか
 ?」…それは、「天然酵母」には酵母菌以外のパンを美味しくする菌や、長時間種継ぎと発酵を
 繰り返すことで生まれる「発酵生成物」など、「旨みの元」となる成分が豊富に含まれている事が
 大きな理由だといっても良いでしょう。                                                                page top


3.自家製酵母はオンリーワン

 現在、市販の天然酵母も販売されていますが、「1から天然酵母を作る。」となると、自家製酵母。
 …そんなわけで少し自家製酵母を例に挙げて話をする事にします

 こんな話を聞きました。
 パン教室の先生がイチゴ酵母に挑戦した所、大変うまくいって美味しいパンができたそうです。
 そこで、教室の生徒さん達にも勧めたのですが、生徒さん達が作ってもうまくいかなかったそうです。

 なぜこんなことが起きたのでしょう?

 断定は出来ませんが、考えられる原因の一つとして、「パン教室の先生の教室では、常にパンを
 焼いているために、空気中に多数のイースト菌が浮遊していた。」という事が挙げられます。

 イースト菌が多数浮遊している環境でイチゴの種を作ったため、イチゴの種の中にイースト菌が入り
 込み、良くふくらんで美味しいパンができたのではないか…という事です。

 この話で考えられる事…それは「天然酵母は、培養する環境(周囲にどんな菌が浮遊しているか)に
 よっても、まったく違う酵母が出来上がる。」という事です。

 これは、パンの酵母だけでなく他の発酵食品も同じような事が起きるようです。

 テレビで酒蔵の番組を見た事があるのですが、天井にはびっしりと麹菌がはりついていて、酒蔵の
 方は「天井に付着している菌を掃除してしまうと、お酒の味が変わってしまう。」とおっしゃっていま
 した。

 もちろん、もともと果物や穀物についている菌や培養の仕方でも「美味しいパンができる酵母になる
 かどうか。」は大きく影響されますが、「どんな環境で培養するか。」も重要な事のようです。

 そういった意味で「自家製酵母」は「オンリーワン」。培養するのは難しいとは思いますが、「世界で
 一つだけの酵母」と思うと、パンが焼けた時の喜びは変えがたいものかもしれません。  page top


4.原材料について

 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の約80%は、北イタリア周辺で培養されている天然酵母種を
 培養し、粉末化したものです。
 その天然酵母種で作られる代表的なパンとして、「パネトーネ」が挙げられます。

 その天然酵母種には、酵母菌(サッカロミセス エクスキューズ)や乳酸菌(ラクトバチルス サンフラン
 シスコ、ラクトバチルス ブレビス、ラクトバチルス プランタラム)等、パンの風味に良い影響を与える
 菌が含まれています。

 それらの菌は「イタリア北部〜南アルプス南部地域(及びほぼ同じ環境の場所)」(以降「北イタリア
 周辺」と略します)に生息しており、その地域で種継ぎを繰り返すことにより周辺の菌を取り込んで
 濃縮され、他の地域では得ることのできない独特の美味しさを持つ天然酵母種になります。

 イタリアではそれらの生種の事を「リエビト・ナトゥラーレ(天然酵母)」や「ビアンコ(白)」と呼びます
 が、日本国内では「パネトーネ種」「パネトーネ酵母」といった通称で知られています。(→詳細)

 ただし、「北イタリア周辺で購入した種は、どれも同じ。」というわけではありません。

 菌の生育やバランスは自然環境によって大きく左右されるので、菌が生息する「北イタリア周辺」
 の中でも、種の出来具合は異なってきます。(例えば、北イタリア周辺の中でも、工場や住宅街
 になっているような場所では、良い生種は育ちません。)

 そのため製造元PANEXでは、北イタリア周辺の中でも最も菌の生育やバランスの良い生種を
 厳選し、それを日本に持ち帰って、菌の特性を損なわないように培養して、商品化しています。
 (現在はピエモンテ州のとある村から入手しているそうですが、生種の状態によっては入手先を
 変更する場合があります。)

 「パネトーネ種」は、菌が浮遊する「北イタリア周辺」以外の場所で種継ぎを繰り返すと菌の特性が
 徐々に失われるため、製造元のPANEXでは3カ月おきにイタリアから生種を取り寄せて、本場の味
 を損なわないようにしています。                                           page top


5.「パネトーネマザー粉末(製パン用」とは

 パネトーネ種を国産小麦農林61号(17年3月より国産小麦ニシノカオリに変更)を使って培養・粉末
 化して、ドライイーストを加えたものが、当HPで紹介している「パネトーネマザー粉末(製パン用」
 (発売元:酵母工業 製造元:PANEX)です。

 「乾燥して粉にするなんて、誰がやっても出来るんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
 でも、酵母を粉末にする場合、「どう粉末にするか。」はとても重要なのです。

 パネトーネ種には、様々な菌や発酵生成物等が含まれています。それぞれに性質が違います
 から、高温に弱いものや低温に弱いものがあります。

 「どの酵素を生かすか・どの菌を生かすか。」により、「どの位の温度で乾燥させて、どうやって粉末
 にするか。」が変わってくるのです。

 つまり、「乾燥・粉末」の方法によっては、同じパネトーネ種を粉末にしたものでも、まったく違う製品
 が出来上がる場合があるという事です。

 製造元のPANEXでは、長年酵母に携わってきた豊富な知識と経験を生かし、「パンを美味しくする
 酵素や発酵生成物」をできるだけ損なわないようにして、パネトーネ酵母を粉末化しています。

 「パネトーネ種のパンを美味しくする成分を、最大限に生かした粉末」にドライイーストを約20%添加
 し、イタリアの限られた地域でしか得る事のできない風味の良さを手軽に再現できる様にした製品
 …それが「パネトーネマザー粉末(製パン用)」です。

 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」のパンには、酒種のパンにしっかりしたお酒の風味がある様な
 「強い個性」はありませんが、「マザーのパン(お母さんのパン)」とでも言う様な、まろやかで優しい
 味と香りの、口解けの良いパンが焼きあがります。                                       page top


6.取り扱い上の注意点

 「パネトーネマザー粉末(製パン用)」にはドライイーストが含まれていますが、約80%は「パネトー
 ネ種」を粉末にしたものです。そして、パネトーネ酵母粉末は材料に対する影響力が強いので、
 ドライイーストや他の酵母とは違った特徴があります。

 大きな特徴の一つは「グルテンの結合をよくする。」という事。グルテンの結合をよくする事でパンが
 ふっくらとふくらみます。

 また、「材料の味を引き出す。(変化させる)」という性質があるので、組み合わせる材料によっては、
 材料の風味を消してしまったりする場合もあります。

 ドライイーストや生イーストのレシピを自分でアレンジしてパンを焼いている方もいらっしゃるのです
 が、材料の組み合わせや作り方によっては思わぬ失敗をする場合があります。
 (詳しくはレシピを自分でアレンジしたい方へ参照)

 初めて焼く方は自己流でアレンジをせずに、こちらで提供している「パネトーネマザー粉末(製パン
 用)」のために作ったレシピをご利用ください。                                                page top

 うまく焼けない場合、自分で原因を判断してしまわずに、遠慮なくご質問頂くお願いいたします。

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★補足★「パネトーネマザー粉末(製パン用)」の原材料は、「パネトーネ種・小麦粉(国産小麦)・酵母・乳化剤」…と
なっています。「乳化剤」は、添加しているドライイーストにもともと含まれているもので、パネトーネ酵母を培養
粉末化する際に新たに添加しているものではありません。添加しているドライイーストに含まれる乳化剤「ソルビタン
脂肪酸エステル」は、マーガリンなどにも使われている、パーム油由来の安全性の高いものです。
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※上記の文章は製造元PANEX社長及び製造担当者から伺った話などを中心に、わかりやすいように
 まとめたものです。表現に誤りがないかどうか製造担当者にチェックして頂いています。