ガス抜きめん棒で捏ねてたこ焼き器で焼く
材料(10g生地21〜22個分) |
材料
A
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ゴールデンヨット (70%)
薄力粉 (30%)
酵母 (5%)
砂糖 (10.5%)
塩 (1.7%)
スキムミルク (2.5%)
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80g
35g
6g
12g
2g
3g
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材料
B
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卵黄 (8.5%)
水 (52%)
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10g
60g
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材料
C
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無塩バター (7%)
ショートニング (7%)
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8g
8g
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生地量合計 |
224g |
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※表内の「酵母」とは、「国産小麦で作ったパネトーネマザー粉末(製パン用)」の事です。
異なる特徴や使用法が記載されている「類似商品」と混同しない様にご注意下さい。
※小麦粉は必ず「ゴールデンヨット」を使用してください。他の強力粉を使用すると、食感
が変わったり、作業がしにくくなる場合があります。薄力粉は「フラワー」を使用。
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その他の材料
ドライりんごを1cm角程度の大きさにカットしたものを生地の数だけ、
油(綿実油や米油などの油・適量)、仕上げにまぶす砂糖(適量)
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(1) |
まず、大きめのボウルに「材料A」を入れ、ゴムベラでよく
混ぜます。(所要時間30秒程度)
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※無塩バターとショートニングは後から入れますが、材料を計量
する時に無塩バターとショートニングを量って別の入れ物に入
れて、室温で柔らかくしておきます。
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(2) |
「材料B(卵黄と水)」は良く混ぜてから手順(1)のボウルに
加えて、ゴムベラで切るように混ぜます。
水分が全体にいきわたって、全体にしっとりした感じになる
まで混ぜてください。(所要時間30秒〜1分程度)
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※卵黄と水を別に入れると、卵黄が固まってなじみにくくなる場合
があります。
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(3) |
ゴムベラについた生地は、ドレッジ(カードとも言う)等を使用
して、そぎ落とします。 |
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(4) |
「折りたたんで押す」という感じで生地をまとめていきます。
(あまり難しく考えずにやり易い様に作業してみて下さい。)
この作業は「捏ねる」というよりも、「粉全体に水分をなじま
せるために生地をまとめる」という目的で行います。生地が
一つにまとまったらOKです。(所要時間1〜2分程度)
多少ムラがあっても気にしなくて良いです。 |
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(5) |
生地がまとまったら、生地が乾燥しない様にラップやフタ等
をかぶせて、20分程度おきます。
材料に水分をなじませるためにとる時間です。 |
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(6) |
室温で柔らかくしておいた「材料C」(無塩バターとショート
ニング)を加えて混ぜます。
初めは「捏ねる」というより「バターと一緒に指の間から握り
つぶす」という感じで、生地を20回位握りつぶして、無塩
バターとショートニングが生地全体にいきわたる様にします。
(所要時間1分程度) |
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(7) |
油脂がまみれて、生地がばらばらになった状態。 |
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(8) |
ばらばらになった生地を、今度は「折りたたんで押す」という
感じで捏ねて、まとめていきます。
30〜40回くらい捏ねると、生地がまとまってきます。(所要
時間3〜4分程度) |
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(9) |
ここからは、生地を伸ばす事で圧力を加えて、グルテンを
つなげていきます。
まとめ終わった生地は少し細長く整え、プラスチックまな板
にのせます。 |
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(10) |
プラスチック製の「ガス抜きめん棒」を使用して、生地全体が
5mm程度の薄さになるまで生地を伸ばします。
成型ではないので、形に神経質になる必要はありません。
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※時々生地がめん棒にくっついてくる場合がありますが、打ち粉
を使用せずに作業してください。
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(11) |
伸ばした生地を端から転がして丸めます。 |
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(12) |
丸めた生地の向きを90度変えます。
次に生地を伸ばした時に、プラスチックまな板の上から
はみ出してしまわないようにするためです。 |
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(13) |
ガス抜きめん棒を使用して、丸めた生地を伸ばします。
この、手順(10)〜(12)までの「生地を5mm程度の薄さ
に伸ばして丸める。」という作業を12回繰り返します。
(所要時間6〜8分程度)
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※ピザ生地とは配合が異なるので、「伸ばして丸める」回数も
変わってきます。回数を重ねるごとに生地に弾力が出てきて
伸ばしにくくなりますが、体重をかけて伸ばすと楽です。
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(14) |
捏ねた生地を丸くして、ボウルに戻します。
フタをするかラップをかぶせるかして、生地が乾燥しない様
にします。
発砲スチロールのボックスにボウルを入れて、コップにお湯
を入れたものを一緒に入れてふたをして、ボックス内の温度
を30度位にします。1時間位置いて、2.5〜3倍位に膨らん
だら、生地発酵の完了です。 |
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(15) |
スケッパーかドレッジなどで、1つ10gに分割します。 |
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(16) |
右手の親指と薬指を近づけて手のひらの空間を狭くして、
その中で生地を転がして、生地を丸めます。
一つ一つの生地が小さいので、手をすぼめて作業しない
と、きれいに丸まりません。 |
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(17) |
きれいな面を上にして、生地の上から乾燥しない様に
ふきん等をかぶせて、15〜20分おきます。 |
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(18) |
休ませた生地は、手のひらで上から軽く押さえて、平たく
します。 |
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(19) |
生地を手に取り、プラスチックまな板に面していた方に、
1cm角程度の大きさの「ドライりんご」をのせます。
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※外側の砂糖の甘さとのバランスを考えて、酸味のあるドライ
りんごを入れてみました。、中に包む具材は変更可能ですが
具材の大きさは1cm程度が目安。あまり大きい具材を包んで
しまうと、とじめがはじけやすくなります。
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(20) |
生地をつまんで閉じます。閉じ方が弱いと焼いている途中
でとじめがはじけてしまう場合があるので、しっかり閉じて
ください。 |
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(21) |
天板(あるいはパッド等)に、キッチンペーパー(あるいは
乾いたハンカチなど)をのせて、茶漉しで「打ち粉(強力粉・
分量外)」を振りかけておきます。生地がくっついてしまわ
ないようにするためです。
その上に、閉じた部分を下にして、間隔をあけて生地を
並べます。 |
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(22) |
発砲スチロールのボックスに生地をのせた天板を入れて、
お湯を入れたコップを一緒に入れてふたをして、ボックス内
の温度を33〜35度位にします。
30〜40分位置いて、元の生地の2〜2.5倍位の大きさ(たこ
焼き器の直径の8〜9割位の大きさ)に膨らんだら発酵完了
です。(時間はあくまでも目安なので、ふくらみで判断して
下さい。) |
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(23) |
たこ焼き器をコンロにのせて、弱火で予熱を入れます。
たこ焼き器のくぼみの底に、3〜5mm程たまるくらいの油を
入れます。油が少ないと、焼き色がつきにくくなったり、返し
にくくなったりする場合があります。 |
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(24) |
生地を入れて、たこ焼きと同じ様に、ピックで生地を返しな
がら焼きます。油を多めに入れているので、静かに生地を
入れないと、油がはねる場合があるのでご注意下さい。
油が足りない場合は途中で足しましょう。
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※直火と油を使用するので、火の元や火傷には充分注意をして
作業を行ってください。
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(25) |
全体にキツネ色に色づくまで焼きます。
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※直火用のタコ焼き器は分厚くて蓄熱性に優れているので、弱火
でも温度が高くなってくる場合があります。
温度が上がりすぎると一気に焦げてしまうので、途中でコンロ
の火を止めるなどして、あまり温度が上がらないように調整して
ください。焼く場所と火加減によって焼きあがり時間は変わって
くると思いますが、焼き時間の目安は4〜6分くらい。
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(26) |
砂糖をまぶします。
グラニュー糖だけだとなじみにくいので、グラニュー糖と
「微細粒グラニュー糖」を混ぜて使用してみました。
ドーナツを頻繁に作る方は、「ドーナツシュガー」を使用する
と良いでしょう。
まぶす砂糖の分量は、「生地一つに付き1g前後」が目安。 |
レシピの解説 page top
ここで使用しているのは「たこ焼き器」を使用して「揚げ焼き」するレシピです。
油の中に生地を入れるわけではありませんが、油を多めに使用するので、パンというよりは「ドー
ナツ」の仕上がりです。
「なんだ。ドーナツを作るんなら、わざわざたこ焼き器で作らなくても、揚げちゃえばいいじゃない。」
と考える方もいらっしゃると思いますが…「丸い生地」をきれいに揚げるのは結構難しい。
丸い生地を揚げてみた事のある方は「そういえば…」と思い当たるかもしれませんが、油の中で
生地がころころと転がってしまい、揚げにくかったりします。
もともと丸くなっているたこ焼き型にいれて焼けば、きれいな丸形になりますし、揚げ油の処理も
必要ありません。
1個ずつ具材を包むこの作り方は、「ホームベーカリーで捏ねられる量」で作ってしまうと、50〜60
個も生地を丸めることになるので、作業が大変になり、出来上がり量も多くなってしまいます。
そこで、少ない生地量でも作りやすい「棒捏ね」の方法で作ることにしました。
このレシピでは、「プラスチック製ガス抜きめん棒」と、「プラスチック製まな板」を使用します。
木製のめん棒や作業台を使用すると、生地がくっついてうまく捏ねられなくなるのでご注意くだ
さい。 →棒捏ねレシピについて
このレシピでは、「無塩バター」と「ショートニング」を半々で使用しています。
「棒捏ね」という特殊な方法なので、乳化剤が含まれるショートニングを使用した方が生地に油脂
がなじみやすい。」という事と、「植物性油脂を使用する事で、生地の食感がやや軽くなる。」という
2つの理由からです。
ショートニングを使用した方が仕上がりは良いですが、ショートニングを揃えられない場合は、
無塩バターでの代用も可能です。
たこ焼き器について
試作では、株式会社イシガキ産業さんの「遊食スナックシリーズ TAKOYAKIKURABU」(鉄鋳物
製そたこ焼き器12穴)を使用しています。
直火タイプなので、自分で火加減を調節する必要があります。
厚手の鋳物なので、蓄熱性が高く、ごく弱火にしても温度が高くなってしまう事もあり、弱火を
つけたり消したりしながら焼くことになりました。
コンロを使う場合の火加減は「感覚」になってしまうので、その辺の説明は難しいところ。
「普段調理をしている方であれば、油の音でちょうどよいくらいの温度がわかるかも。」と言う感じ
です。申し訳ないのですが、各自、温度の感覚をつかんでください。
ただ、温度の上がりすぎに気をつけて作業すれば、それほど神経質にならなくても大丈夫だと
思います。 page top
ちなみに、20穴ある電気式のたこ焼き機でも試作を行ってい
ます。(写真A)
焼き上がりには特に問題はありませんでしたが、生地を20個
いっぺんに入れてしまうと、焦がさないようにひっくり返すの
が結構大変でした。
穴がたくさんあっても、10〜12個くらいずつ入れて焼いた方
が、余裕を持って焼けると思います。
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写真A |
油について
ドーナツの味は、「揚げる油で80%決まる。」と言っても過言ではありません。
天婦羅やとんかつを家庭であげる場合、衣だけでなく素材の味があるので、油の味がそれほど
気にかからない場合もあります。
しかし、特に発酵させるタイプのドーナツの場合は、味の個性が強くない「パン生地」を揚げるもの
なので、油の味の影響が大きくでます。
使う油によっては「サラダオイル臭い」味になってしまう場合もあるので、ご注意ください。
私がドーナツを作る時は、「綿実油」あるいは「米油」を使用しています。たこドーナツも同様です。
レシピのアレンジ その1 具材を省く
中に何も入れない場合、手順(17)〜(20)を省いて、手順(16)で丸めた生地をそのまま「キッチン
ペーパーかハンカチなどをしいて、打ち粉を振った天板」に並べて、発酵させます。
少し雑なやり方かもしれませんが、20個もの生地を丸めなおすのは大変なので、丸めなおさずに
そのまま発酵させてしまいます。
何も入れないとちょっとさびしい感じがするかもしれませんが、何も入れなくても、トッピングを工夫
することで楽しめます。
写真Bは、「きなこ砂糖」をまぶしたものです。きなこの量で好みの甘さに調整できます。まぶす
砂糖を「シナモンシュガー」にしても良いでしょう。 page top
写真Cは市販のアイシング
をまぶしたもの。
たこ焼き器で焼くと見た目の
焼きムラが少し出ますが、
味は普通のドーナツとほぼ
変わらない仕上がりです。
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写真B |
写真C |
レシピのアレンジ その2 アンドーナツ風
「ドライりんご」の代わりに「1cm角にカットした羊羹」を包む(写真D)と、アンドーナツ風になります。
少ない生地に少量のアンを包むのは難しいので、包みやすい羊羹を使用してみました。
羊羹を包むと、普通のアンとは違う「とろんとした感じ」になり
ます。
羊羹を包んだ場合、砂糖をまぶすとかなりパンチのある甘さ
になってしまうので、甘さを控えめにした「きなこ砂糖」と組み
合わせる事をお勧めします。
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写真D |
レシピのアレンジ その3 スナック風
同じ生地で、ビールなどに合う「スナック風」に焼くことが可能です。
手順(19)で生地に包む「ドライりんご」を、1cm角にカットしたプロセスチーズ(写真E)やベーコン
などに変更します。
ベーコンを包む場合は、チューブの「粗挽きマスタード」をほんの少し絞りだして(写真F)、その上
にベーコンをのせて(写真G)包むのがお勧め。
チーズやベーコンを入れた場合は、「衣」をつけます。
衣をつけなくても作ることはできるのですが、中に塩気のある具材を包む場合は、表面にも塩気が
あったほうが味のバランスが良く、おいしいと思います。
手順(20)で具材を包んでとじ目をしっかり閉じたら、霧吹きを使用して生地の表面を水で湿ら
せて、「衣」をまぶします。
私がご紹介する「衣」は2種類。1つは「日清から揚げ粉」。(写真H)
水に溶かずに粉状のままお肉にまぶすタイプの製品です。写真Iは焼き上がり。
もうひとつは「ミックスパン粉」。細かいタイプの「パン粉」と、S&Bの「マジックペッパーソルト」を
「7対3」位の割合で混ぜたものです。(写真J)
写真Kは焼き上がり。パン粉をつけることで、サクサクした食感に仕上がります。 page top
衣の分量は、どちらも「生地ひとつに付き1g弱」が目安です。
22個の生地に「から揚げ粉」をまぶす場合は20g程度。
22個の生地に「ミックスパン粉」をまぶす場合は「パン粉14g
位」と「マジックペッパーソルト」を6g程度。
私はどちらかと言うと甘党ではないので、「スナック風」の方
が好みです。
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写真E |
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